海外でモノを買ったとき、そのお店が直接海外配送に対応してくれていればよいのだが、そうでなければ荷物転送サービスを使う。BuyInThaiはそういったサービスのうちの一つで、タイでの買い物に特化したサービスである。
個人的な趣味でしばしば海外からモノを買うのだけれど、これまでにBuy and Shipという転送サービスを何度か使ったことがある。今回も自動車部品をタイから購入するにあたり、Buy and Shipを使おうと思ったのだけれど、なんとタイ倉庫(このサービスは世界中に「倉庫」と呼ばれる受け取り拠点がある。)のサービスが8月25日着荷分で終了とのこと。後続の倉庫も案内されていないので、仕方なく別のサービスを探していたところ、BuyInThaiに行き着いたわけである。
結論から言うと、荷物は届いたものの、エクスペリエンスとしては最低の部類であった。どうしてもという機会がなければ、二度と使うことはないと思う。
BuyInThai | Thailand Package Forwarding - Ship to USA, UK & Worldwide
ちなみに、日本語サイトもある。
タイ転送倉庫 BuyInThai | タイから日本への転送サービス
今回購入した商品はECサイトに掲載されているものではなく、タイの自動車チューナーがSNSに掲載していたとある部品である。唯一無二のモノなのでどうしても購入したい。
7月31日に問い合わせメールを送り、返事があったのが8月12日。「日本に送れるfreight forwarderに連絡できるか?」とだけ短く返ってきた。
この時点で、Buy and Shipのタイ倉庫のアドレスを調べたところ、冒頭に書いた8月25日着荷分でサービス終了ということに気づいたわけで、時間がない。8月25日までに発送できるかと念のため聞いてみたところ、快くOKをもらえたものの、送金方法は銀行振込のみとのこと。国際送金は時間がかかる。
ひとまず購入に向けてのやり取りをしながら、Buy and Shipにタイ倉庫のアドレスを問い合わせた(通常は公開されているが、まもなく閉業ということで非公開かつ要問い合わせになっていた)ところ、本当に8/25までに届くか?とか、商品のURLを送れ、とかすぐに倉庫住所を教えてくれず面倒な雰囲気になってきた。こちらを使うのは諦めたほうがよさそうという雰囲気を感じ取り、代わりになる荷物転送サービスを探して、BuyInThaiをみつけたわけ。
BuyInThaiは初めて使うサービスなので信用できそうか調べてみたものの、レビューがほぼヒットしない(Xで1年前のものが1例だけ)。Webサイトは整いすぎている割に、どこかハリボテ感を感じると言うか、遷移に違和感があると言うか…自分の中の怪しいセンサーが反応している。不審に思ってさらにAIに聞いてみると、レビューがほぼ無い点、ドメイン取得が新しいこと、新しそうなサービスなのにページが作り込まれているなどの理由で、信頼性はなくはないが微妙との評価。
とはいえ、他により良さそうな転送サービスを見つけることもできず、ほぼ藁にもすがる思いで、ダメもとで使ってみることにした。一応、万が一の場合に備えて、Buy and Shipに切り替えられるよう、8/25の期限はリリースせずに商品の販売元とやり取りを続けた。
それともう一つ気になったところは、メールの問い合わせ先アドレスのドメインが"shopthaiwise.com"になっていたこと、shopthaiwiseは、イスラエル向けのタイ購入代行サービスのドメインのよう。この購入代行サービスはアメリカの企業のようだが、なにか関連があるのだろうか。それから、倉庫から自分の家までの配送業者の選択に、ドバイの配送業者であるAramexが含まれている。中東方面に本拠地があるのだろうか。AIに聞いてみても、特に関連性は見つけられなかった。
経過
8月12日(水) サービスに登録してみる。
サイトから登録するとすぐに、「あなた専用の倉庫住所が用意できました。」というメールが届く。倉庫住所とスイートナンバーが書いてあり、自分専用のスイートナンバーで個人を識別するようだ
Buy and Shipの場合は、自分の名字を専用のIDに書き換えて配送する方式だったので、ちょっと違う。
ただしこの住所、Web上のマイページに表示されているものと微妙に違う。細かい通り名や番地は一致しているのだが、州の表記が違うし、肝心のスイートナンバーも違っている。スイートナンバーは個人を識別するための番号なので困った。本来ならここで問い合わせるべきだったのだが、処理を急いでいたこともあって、そのまま突っ走った。
この日のうちに、商品の販売元と連絡がものすごいスピードで進む。配送方法、支払い方法などの確認と合わせて、配送先住所も念のため教えてくれとのこと。これを確認してくれて本当に助かった。
メールで届いた住所を配送先住所として送ると、Chonburi も Bangkokもどちらも州名なのだがどっちなんだとの返事。確かに、Province=州 の欄にChonburi とあるものの、住所はBangkokとなっている。怪しすぎる...。普通に考えればBnagkokなんだろうなと思うところだが、こういう凡ミスはサービスの信頼性を揺るがす。
一方、マイページに記載されている住所は、Provinceの誤記はない。こちらの方が信頼できそうと判断をして、住所の訂正連絡をすると同時に、スイートナンバーも(マイページに記載されているものに)訂正してもらった。果たして吉と出るか凶と出るか。
その住所をGoogleMapsのストリートビューで見て見ても、建物の前まではたどり着けない。細い路地の奥地にあるようだ、大丈夫だろうか。
8月13日(木) 商品代金支払いのための国際送金を申し込む。
8月17日(月) 国際送金の審査・送金が完了する。
(今回の記事には関係がないが) 送金が完了したので確認してくれと連絡すると、なんと着金額が少ないとのこと。どうやら仲介銀行が手数料を引いたようだが、その額は、引かれるかどうかを含め事前にわからないことだったので、その旨と、不足額を教えてくれと連絡。すると、「事情は承知したのでこちらで負担するから追加送金はしなくていいよ」と優しい返事。タイの人はやさしい。この時点で8/25には間に合いそうになかったので、Buy and Shipに切り替える余地はなくなり、8/25の期限は気にしなくてよい旨も合わせて連絡しておいた。先方から、「今週中に発送するよ」と連絡をもらって一旦終了。
8月25日(火) 追跡番号を督促する
先週中に発送する、と言っていた割には発送の連絡がない。こちらとしては、BuyInThaiの荷物登録に追跡番号が必要なので教えてほしい、という建前で、「荷物発送した? 追跡番号が必要なのでおしえて。」の連絡。返事は、「今日送る予定だよ!」とのこと。タイにも蕎麦屋の出前はあるのだろうか。タイ人は時間にルーズなところがあるらしい。というか、日本人が細かすぎるのだろう。
約束どおり? 夕方には発送してくれたらしく、荷姿とタイ語で書かれたタイランドポストのレシートの画像が送られてきた。タイ語では追跡番号がどれかすらもわからなかったので、AIの力を借りて解読。計測された重量やサイズも記載されていたので、BuyInThaiに登録するときに非常に助かった。マイページのPackages(荷物)のページにPending(保留中)として登録された。
8月26日(水) タイ倉庫への配達完了
タイランドポストの追跡によれば、午前中に一度不在のため持ち戻りの後、午後に再配達が成功したようだ。ビジネス倉庫なのに不在?と不安要素が増えたものの、まぁ、配達完了になっているのでよしとする。
8月27日(木) 荷物が登録されないので問い合わせ
丸一日様子をみてみたが、BuyInThaiのマイページ上で荷物が受け取り済みにならないので、マイページの問い合わせフォームから問い合わせ。問い合わせ内容はケースオープンのステータスで表示されている。せっかちすぎるが、Buy and Shipはたいてい着荷のその日か翌日には受け取り済みになるのでその基準で動いてみる。
8月28日(金) 応答がないのでWhatsAppで再度問い合わせ
やはりせっかちすぎる気がするが、こういうのは問い合わせてなんぼなので。WhatsAppでの問い合わせは優先対応されると書いてあったので、わざわざダウンロードしてアカウントを作り、問い合わせた。
すると20分ほどで、「確認する。登録には1-2日かかる場合がある。」と返事。文面が非常にAIだ。が、問い合わせ本文に記載していないこちらの情報も把握できているようなので、ひとまず様子をみてみる。
9月4日(金) まだ受け取り登録されない
1週間待ってみたが、まだ荷物が登録されない。WhatsAppで問い合わせた件についても、具体的に対応された形跡はない。いくらなんでも遅すぎると思いながらマイページを色々探っているときに、Shipmentのページ(タイ倉庫から日本への荷物をまとめたり、配送依頼を作成するページ)で、登録した荷物が「Ready to Ship(配送準備完了)」のステータスになっていることに気がついた。配送が作成できる状態にもなっている。一方、Packages(荷物)のページでは、まだPending(保留中)のままである。
もしかしてPackagesページのステータスはうまく更新されないのかも、と勘繰り、配送の作成を試してみることにした。申告済みの情報で登録ができ、支払いもできた。受け取りされていないので重量等の計算が変わると厄介かも、とこの時思ったが、もうここまで来るとダメ元精神が強く、できることは試してみようという気持ちになっていた。支払い方法はPayPalが使えた。
国際配送事業者は、速達手配(事業者不明)と、DHL、Aramex、ThailandPost(航空便)の中から選択できたので、DHLを指定。2番目高い事業者だったが、この際は到着する確率を優先した。過去にDHL配送で酷い目にあっているので二度と使うまいと思っていたが、この選択肢では仕方がない。保険はかけなかった。配送料金は3kg未満の荷物に対して日本円で1万円を軽く超えたので、高すぎる。Buy and Shipよりも遥かに高いので、今後積極的に利用することはないだろう。Buy and Shipが新しいタイ倉庫をオープンしてくれることを祈るばかりだ。
配送の作成、支払いを済ませてしまってから、わざとらしく「Ready to Shipになっていたから配送を作成して支払いを済ませてしまったけれど、その後で荷物がまだ受け取り済になっていないことに気づいたよ。確認して!」とWhatsAppで問い合わせた。
すると2分後にかなりの長文で、「困惑させて済まない。倉庫チームに確認する。優先して対応している(カスタマーサポートの定型文)。」という返事が返ってきた。応答時間もされど、非常にAI臭い文面である。
9月7日(月) 荷物受け取りのメール
タイと日本は2時間しか時差がないはずだけれど、深夜に突然、荷物を受け取った旨のメールが届いた。パッケージの画像付きである。画像は、商品の販売元が送ってくれた荷姿とラベルと一致していたので、行方不明になっていなかったんだと一安心。それにしても、商品の販売元、わざわざ荷姿を送ってくれて、ファインプレーである。
BuyInThaiの方は、対応についてWhatsAppで連絡はなかった。問い合わせに対してはAIが機械的に返信しているだけで、具体的な対応はされていないような気がする。
数十分後、さらに、荷物の発送が完了した旨のメールも届いた。メールに記載されている追跡番号は、どこで検索してもまだヒットしない。この時はまだ登録されていないのだろうと推測できるが、気になったのは番号の形式がタイランドポストのものだ…。DHLの手に渡るまでの番号なのかな? DHLの料金を払ったのだから、せめて国際配送部分はDHLで送られることを祈るが、ここまで来るとこの矛盾を問い合わせで解消するのもなかなかしんどいしやる気もしない。メールやマイページ上の表示では、配送に要する期間は7-14daysとなっている。
9月9日(水) 依然追跡番号がヒットしない
丸2日経っても追跡番号がヒットしないので、WhatsAppにて、どの配送事業者の追跡番号なのかを問い合わせ。返事がない...。
9月10日(木) 依然追跡番号がヒットしない
追跡番号が無効なようなので、正しい番号を教えてもらうようWhatsAppで問い合わせ。既読にはなるが返事がない...。
9月14日(月) WhatsAppで返信あり
「待っててくれてありがとう、マイページの情報を更新したのでこれで追跡できるよ! 」という返信がくる。しかし、更新されていない。相変わらず架空のタイランドポストの番号が表示されている。
続けて、更新されていないことと、正しい追跡番号を教えてもらうよう要求。
9月22 日(火) 突如として追跡番号が更新される
マイページを覗いてみたらDHLの追跡番号に更新されていた。9月21日のステータスが、「集荷前の荷物情報が、荷送人様によりシステムに登録されました」になっていた。この後発送か...。ちなみに、WhatsAppで連絡はない。
それから数時間後、BuyInThaiから「支払いを受け付けました」という旨のメールが届く。謎のタイミング。
9月24日(木) 突然の着荷
突然荷物が届いた。結果としてあらゆる追跡は機能していなかったので、着荷は全く予想できず。相変わらずBuyInThaiのマイページは更新されていないし、DHLの追跡もステータスに変化はなく、機能していない。
結果
結果的に、「DHL」を選んだ場合の配送方法は、ThailandPostのEMS(国際部分はDHL配送)であった。ThailandPostはもっと配送料金の安い選択肢だったはず。EMSは別なのか...?今更突き詰めるのも心底面倒なので、届いたからヨシということにする。
これまでの経験に違わず、DHLの配送は荷物のダメージが大きい。今回も外箱の痛みは激しいし、中身も、緩衝材が巻いてあるにもかからわず塗装が剥がれたり金属同士が激しく当たりえぐれている部分があるような状態だった。
また、サービスの説明では、「もとの梱包をさらに大きな箱に梱包する」という旨の説明がある(もとの梱包を解いて中身だけを(まとめて)送る選択肢もある)が、実際には元の梱包にそのままラベルを上から貼った状態で届いた。元の梱包は一度開封されており、再度封されたテープが税関のものではなかったので、BuyInThaiで一度開封していると思われる。通関の手続きのためかもしれないが、他サービスでは税関で開封されることはあるものの、転送業者で開封される経験はない。

サービスを使ってみた感想
海外のサービスを使うのに、いつも以上にせっかちになってしまった点は反省。初めて使うサービスで不安が多かったこともあるかもしれない。
荷物は問題なく届くが、処理が非常に遅い(Buy and Ship比)いこと、現場の処理状況とWebページやメール通知がしっかり連動していないことがエクスペリエンスを大きく下げている原因であると思う。処理が遅くても、現状が正しく共有されていれば、そこまでストレスに感じることはないと思う。また、サポート体制が整っていないことも問題だ。Webからの問い合わせには応答がないし、優先対応すると記載のあるWhatsAppでの問い合わせも、(おそらく)AIが即座に一次回答をしているだけで、実際の対応はかなり遅いか、まともにされない状態であった。
さらに言うなれば、この体たらくにもかかわらず、競合他サービスよりも送料が高いことも非常に気になった。
冒頭にも述べたように、どうしても必要にならなければ、今後このサービスは使うことはないように思う。
このレビューは2026年9月24日現在のもので、今後サービス体制は変化していくと思われる。



























