えるまろぐ

風車めぐり時々レビュー

【GRAND SMARTを建てる】 No.15 「地盤改良工事」 #一条工務店 #グランスマート

 地鎮祭の終わりに、基礎工事の監督とスケジュールの打ち合わせをした。予定では8月最後の2日間で地盤改良工事を行うとのこと。いよいよ目に見える形で動き始める。地鎮祭から数日後、敷地には防護ネットが張られた。建設業の許可票や労災保険関係成立票等はまだない。これだけでも、"いよいよ始まる"のを感じる。

 そして来る8月30日。台風10号の影響で雨が降り続いていたが、地盤改良工事がはじまった。事前の説明で何度も、セメントミルクの打ち込み工事は、もともと地下水がある環境を想定した工法なので、雨が降っていても問題ない、と聞いてはいたものの、いざこれだけ雨が降り続いたあとに工事が始まると、さすがに心配になる。一条の現場管理と施工業者を信じるしかない。2日目も雨が降ったり止んだりの天気で、一時的に洪水警報も出された。土地柄、地下水は最大まで上がっていたことだろう。はたして、それでも大丈夫なんだろうか。

 あまり見ない重機がやってきて、穴をほっていく。前職で建柱車はよく見ていたが、それともまた違う。オーガを装備した重機にはホースが繋がれていて、ここから補強材を供給しているようだ。
記念に写真を撮るにも、無言で撮っているもの気が引けたので、コーヒーを差し入れがてら一言だけ挨拶しておいた。


 宣言どおり2日できっちり工事が終わった。前日に施工したところにはすでに土がかかっていたが、今日施工した部分は跡を見ることができた。コンクリートだ。遠い将来、家を取り壊したあとこれはどうするんだろうと今考えなくてもいいことを考えながら、記念に現場を見ておいた。

 月が変わると、いよいよ基礎工事が始まる。

※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

【GRAND SMARTを建てる】 No.14 「家具選び」 #一条工務店 #グランスマート

 家の図面が確定し、住宅ローンの融資も実行され、あとは工事が進むのみとなった頃、家具選びを始めることにした。
 我が家では、賃貸暮らしを始めるころから、ゆくゆくは家を建てようと漠然と考えていたため、今の家具はほとんどIKEAのお安い家具。家を建てるときに良いものを買おうと決めていた。
 まだ早すぎるかもと思いながらも、こういうのはやる気があるときにやっておくのが一番いいので、少しずつ家具店を見て回り始めた。家具の予算については、事前にはあまり深く考えておらず、見て回り始めてから、自分たちの納得の行くものと市場価格を理解しながら決めていった。やはり思ったより高くなる。なまじっか、先に述べたように、「家を建てるときにはちょっと良いものを」とずっと思っていたこともあり、妥協点が高額な方向にずれ込んでしまっている。
 今回買うことに決めたのは、ダイニングテーブルセット、カウチソファ、テレビボード。ベッドと家電は賃貸暮らしを始めたときにそんなに妥協しなかったので、新調しないこととした。テレビは壁掛けもできるように念の為壁に下地を入れることにしてあるが、そもそもテレビ視聴にそんなにこだわりがないこと、新築に合わせてテレビを新調する気もないことから、当面は据え置きで行くこととした。家具店をまわり市場価格を知っていきながら、家具3点での上限予算を決めた。思ったよりお金がかかるということも、完全に手遅れだがここで気づいた。
 家具店に依頼して、持ち込んだ図面に縮尺を合わせて家具の大きさを書き込んでもらい、サイズの確認をした。

 家具店めぐりを始めてみれば、思いの外すぐに欲しいものが見つかっていった。完全に営業文句にやられているなと思いつつも、「早すぎることはない」「来年の引き渡し時まで保管できます」など聞けば、あっさり決めてしまった。地鎮祭の日には、3点全て決めてしまった。

 こういうのはめぐり合わせなので、よいのが見つかったら手を出しておくべきだと思っている。もちろん、見送れば次なるよい出会いがあるかもしれないし、出来上がった家の様子を見てからでも遅くないかもしれないが...。めまぐるしく過ぎていく日々の中で、いつまでも悩んだりダラダラ家具店めぐりをするのも疲れる。満足いくものが見つかったので、これで決まりとした。新居の住所(予定)を初めて対外的に表したのが、家具店の配送票だった。

 引き渡しの頃には、どんな家具を選んだか忘れていそうだ。

※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

【GRAND SMARTを建てる】 No.13 「地鎮祭と配置確認」 #一条工務店 #グランスマート

 住宅ローンの融資が実行され、着工金の支払いが終わった頃、地鎮祭を執り行った。

 

 地鎮祭の日取りを決めたのは、最終打ち合わせ後だったと思う。珍しいことに、古くからの友達に神職がいるので、お願いした。
 地鎮祭については、我が家の案件の場合は、一条工務店はノータッチ。依頼すれば神職を手配してくれるとのことだったが、手前で依頼することにしたので、一条工務店が行うのは地縄張りのみ。幸いにして、友人だったので気軽に色々聞け、こちらで用意したのはお供え物と初穂料だけ。
 地鎮祭の日取りをあらかじめ一条工務店に連絡しておいたところ、その1週間ほど前に、気づいたら地縄が張られていた。

 噂にはよく聞く話だが、我が家はそもそもそんなにそんなに大きい家ではないものの、やはり心配になるほど小さく見える。実家を建て替えたときの記憶があるので、「こういうもの」とはわかっているつもりだが、やはり、やってしまったか...と思うほど小さく感じる。地鎮祭の場で初めてお会いした現場監督にも、これはあるあるですね、と。

 気を取り直して、地鎮祭。その日の早朝には、豪雨が窓を打ち付ける音で目が覚めた。いくらなんでもこれは中止だな、と思ってもう一度眠りについたが、朝起きたら幾分か小康状態に。友人に電話をしてみると、このくらいだったらやろうか、という話に。不思議なもので、神職の友人が登場したと同時に雨が止み、地鎮祭が終わる頃には晴れ間が見えてきた。

 地鎮祭の準備は一緒にやった。友人の仕事ぶりを間近でみることは初めてだったので、とても新鮮。注連縄を張ったり、紙垂を付けたり、お供え物を並べたりの手伝いも。
地鎮祭は粛々と進み、祝詞を聞いている間は、セミの合唱の合間に、きりっとした風が吹いた。ちなみに、斎砂を用いた地鎮の儀はないパターンだった。このあたりは神職にお任せである。

 地鎮祭が終わると、現場監督が事前に地縄を張ったときに確認した内容がまとめられた用紙にサインをして、配置確認が完了した。その後、今後のスケジュールを聞いた。打ち合わせ途中で予約を入れていた上棟日が2日ほど後ろにずれていたが、これで確定(天気都合による延期はある)とのことだった。引渡日もこの段階で決められるようだが、諸事情で担当営業さんが地鎮祭を急遽欠席されたので、引渡日の打ち合わせは別途となった。引渡日の目途は事前に聞いていたものより早まっていた。周辺への挨拶回りは一通りすませてあるものの、一条工務店も業者としてあいさつ回りをしたいとのことで、担当営業さんと後日まわることにした。

 次回はいよいよ地盤改良に着工とのことだが、思ったより早く始まるようだ。ソイルセメントによる改良工事は2日で終わる予定とのこと。思ったより早い。

※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

【GRAND SMARTを建てる】 No.12 「住宅ローン」 #一条工務店 #グランスマート

 一次外構と並行して進めていた住宅ローン周りのお話が(ほぼ)完結した。金銭消費貸借契約を結んだのは、日銀の政策金利のお話で盛り上がった翌日だった。

 昨年8月頃、一条工務店に声をかけてわりとすぐの段階で、予備審査を受けていた。そして、一条工務店との契約を終えた先月、本審査へ。特に問題なく、金利回答も変更なく、無事審査を通過。そして今月、金銭消費貸借契約を結んだ。正式な住宅ローン申込みである。金利は10年固定とした。団信は金利の追加が思ったより少なかったのと、医療保険はそんなに手厚くしていないので、三大疾病+がん。
 戦略的に全額ローンとしたが、はたしてこれがどう出るか。額面だけ見ると払っていけるか不安になる。

 住宅ローンの戦略を練るにあたり、こちらのページがちょっと参考になったので紹介しておく。
 住宅ローン利用者の実態調査:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)


 次は、今月中頃の地鎮祭

【GRAND SMARTを建てる】 No.11 「造成(一次外構)工事の完了」 #一条工務店 #グランスマート

 上水道、下水道の接続、雨水の排水工事が完了し、造成(一次外構)工事が終了した。

 すったもんだあった下水道も、無事接続が完了した。下水道工事は、自治体発注の工事である。加入時の負担金(約25万円ほど)を支払うと、自治体指定の業者に工事発注がなされる。
 実は、造成工事をお願いした業者が、自治体の下水道工事の指定業者であることはわかっていたので、はじめからその話をしておいた。すると、下水道工事後に仕上げを行うように工程管理をしてくれた。
 下水道の配管を通すには、設置した擁壁にコア抜きをする必要がある。上水道も同じだ。また、下水道と上水道はほぼ同じ場所を通るので、ハウスメーカーに調整をお願いし、上水道と下水道の工事の予定をあわせてもらい、二度手間にならないように工事をしてもらった。1日で上水道・下水道の接続が完了し、なぜか謎の水道が生えた。メーターはもちろんない。こういうのを付けておかないといけない法令があるのだろうか。

 水道工事にあたって、一部コンクリートの補修があったため、養生が終了後、道路の下水道枡周辺のアスファルト復旧工事が行われ、工事は完了した。
 これで、造成工事はすべて終了した。次、この土地で発生するイベントは、地鎮祭。それまでに、融資申し込みがある。


※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

【GRAND SMARTを建てる】 No.10 「工事着手承諾と直前のトラブル」 #一条工務店 #グランスマート

 図面の最終確認を終え、工事着手承諾を行った。ところが、その直前にちょっとしたトラブルが。

最終図面の確認

 これまで打ち合わせを進めてきたCAD図面、電気図面、配置図、仕様書等、修正完了の目処が立ってきた頃、工事着手承諾の日取りを決める。不思議なことに、工事着手承諾の手続日を決めた瞬間、あらゆることが不安になってくる。いくつかこれまで全く気にもしていなかったことをあれやこれやと担当営業さん、担当設計さんに確認した。打ち合わせ回数にして2回ほどそんなやり取りを含む打ち合わせをした。直前に変更したのは、なんとトイレと風呂の大きさ。トイレを0.75坪、風呂を1坪としていたところ、トイレを0.5坪、風呂を1.25坪に変更した。トイレには手洗いカウターを設けないこととしていたが、そうすると0.75坪のトイレは広すぎることがわかった。逆に風呂は広いほうがうれしいし、金額にも影響しないとのことだったので、そうすることにした。図面全てに影響するので厄介だったに違いない。また、電気図面が複雑になりすぎたせいか、そこそこ図面誤りがあった。システマティックに打ち合わせが進む一条だから安心していた節もあったのだが、念の為と細かくチェックしてよかった。図面に修正点がなくなったことを伝えると、本社に図面等を送って、見積チェックを受けるようだ。

工事着手承諾直前のトラブル

 当然のことながら、工事着手承諾に向けた最終図面等の調整の中で、予算と見積額の調整もしている。予算オーバーになりそうなところは、設備のグレードを下げたりして調整していた。最終図面承諾に向けて見積額も固めたところに、金額に大きく影響するイザコザが3つほど発生した。

 1つは、深基礎対応の提案とポーチ補強。深基礎対応の提案については、まさに寝耳に水。それもそのはず、我が家の土地は、造成に取り掛かる前から一条工務店の担当営業さんに入ってもらい、擁壁施工や土入れ等も、事前に図面でのチェックをお願いしている。家の配置についても、その段階で調整を行い、打ち合わせ中には一切変わっていない。それにもかかわらず、この段階になって、現在の配置だと一部を深基礎にしないと一条工務店の定める基準をクリアしないという話がでてきた。費用にして十数万円。幸いにしてか、家の配置を7cmずらせば深基礎対応は不要になるとのことだったので、家の配置を10cmずらすことにした。とはいえ、敷地に対してスペースが狭いなと思っていた方向への移動だったので、10cmといえどかなり気になった。気になったが、しっかり擁壁もあるのに、わざわざそこ費用をかけて深基礎対応にするのも馬鹿らしく、提案通り10cm配置の変更をした。なんで今さらとは思うものの、それだけ基準がはっきりしていて、それに対する検討も行っているということで、安心材料として無理やり納得することにした。
 それでも、ポーチ補強は推奨するという。もともと水田を埋め立てた土地で、かつ造成したての土地である。家そのものはソイルセメントによる地盤改良工事で強固に保持されるものの、ポーチはソイルセメントによる地盤改良の範囲外なので、土地の落ち着きによる沈みでポーチだけ若干下がってひび割れ等が出るかもかもしれないというものだった。過去の事例等はどうか担当営業さんに聞いたが、従来は深基礎対応とセットで提案を行っていたポーチ補強を、ここ最近は軟弱地盤のところ全てに提案するように変更になったものだという。なので参考になるようなデータもない。作業内容としては、配筋の追加及び基礎とポーチを一体で打設するとのことであった。ポーチ補強は必須ではなくあくまで推奨とのことだったし、一般的にポーチは基礎と一体打設しないことがほとんど。不要かなと思っていたものの、確かに軟弱地盤であることと、基礎と一体打設をしてくれる安心感を買って、採用することにした。実家のポーチ周りもひび割れが発生していることも思い出した。こちらは金額としては10万円を超えるもの。一般的には10万円もかからないところ、我が家はポーチを拡大していたので、それにかかる費用も大きくなっているとのこと。

 2つ目は、ガス基本工事の追加見積計上。過去の記事にも書いたように、我が家はガス衣類乾燥機を採用した。ガスは衣類乾燥気のみに使用するが、この計画は打ち合わせの初期段階からあり、当然ガス工事も必要なことはわかっていた。それにもかかわらず、ガスの基本工事費用がこの段階まで見積計上されていなかった。担当営業さんも不要と思っていたらしく、本社の見積チェックで発覚した。費用は10万円弱だったので、予算と見積額の調整後に追加される金額としては痛手。

 3つ目は、「子育てエコホーム支援事業」の申請手数料の追加見積計上。こちらも、打ち合わせの初回から、「こどもエコすまい支援事業」(令和5年度同事業名称)は申請をお願いしますという話をしていて、担当営業さんももちろん申請しますという話をしていた。にもかかわらずこの段階まで申請手数料は見積計上されていなかった。しかし、「確認申請・長期優良住宅手続及び諸費用」という項目で50万円近くが計上されていたので、ここに含まれているものと思っていた。ところが、実はそうではないらしく、単純に計上漏れ。約10万円の申請手数料が必要とのことで、最終段階で追加になった。

 その他にも、電気工事費用の見積不良も発覚し、数万円上乗せ。結果的に工事着手承諾直前に30万円ほど見積額が増えた。新築予算のうちの30万円は割合から考えればたいしたことないものの、されど30万円である。しかも予算調整後だし、今から設備変更等をすればまた図面の修正と見積チェックで時間がかかる。内容ははじめから注意していれば分かっていたものばかり。深基礎対応についていえば、最終段階での図面チェックでしかわからないというシステム的にどうかと思う。ネットにも、さぞ"一条あるある"のような形で同じ話が散見される。さすがにチクッとクレームを入れた。それに、配置変更や見積変更で、工事着手承諾の予定日が1週間伸びた。一条工務店の施工スケジュールは上棟日を軸に決まるが、幸いにして工事スケジュールには影響がないとこのと。しかしながら、子育てエコホーム支援事業は財源が限られているので、時期的にもあまり申請を遅らせたくない。結果的に本当にギリギリ、予算に対してマージンを見ていた範囲内で収まったので、仕方なしにこの内容で承諾した。

図面着手承諾当日

 当日は、ひたすら署名捺印をするのみである。事前に最終図面は穴が空くほどチェックしたので、自分の中ではもう大丈夫。今後のスケジュールや免責事項等の説明をうけ、タブレット端末で署名する。一部紙書類のものもあった。こうしてめでたく、家づくりの打ち合わせを終えた。次は、住宅ローンの申込み。


※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

【GRAND SMARTを建てる】 No.9 「農地転用許可申請と造成工事」 #一条工務店 #グランスマート

 今回は造成工事(一次外構)のお話。

農地転用許可申請

 先の記事で書いたように、当該地は農地であった。周辺は農業振興地域であったが、幸いにして当該地は、数年前に除外地に申請済みで、現在は農業振興地域からは外れていた。農地転用許可を受けるには、農業振興地域でない必要がある。さらに、除外申請にはかなり時間がかかるので、家の計画を始めてからでは遅い。家族のファインプレーによりこの計画が進む。除外地になっているからといって、すぐに家が建てられるかと言えばそうではなく、除外地であっても農地に変わりはないので、農地転用許可を受ける必要がある。地元の農業委員会と、県の承認が必要である。
 農地転用許可申請については、
農地法第4条

農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

及び
農地法第5条

農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。

と定められている。また、この手続きについては、
農地法第4条第2項

前項の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。

とある。つまり、書類を作って地元の農業委員会の承認を得、県に提出してもらわねばならない。農業委員会の開催時期は決まっているので、そのスケジュールを気にしながら申請を進める必要がある。はっきりいって理不尽なほどめんどくさい。なんでこんなにめんどくさいことになっているのかといえば、農地を転用しすぎて国の食料自給に影響を与えるのを防ぐため。なんにせよ食料は大切ということだ。
 詳細は割愛するが、まずここですったもんだあった。まずは地元の自治体担当者と話をして書類を作るのだが、作成する書類の指示がどうもおかしい。何度も、「法令によるとこの書類はこうじゃないですか」と確認したが、指示に変更はない。県にも確認したという。完全に腑に落ちないが、とはいえ、農業委員会様の承認を得られないと話が進まないので、言うとおりに書類を作った。なぜか農業委員会は通過…。案の定、県に書類が回ってから書類が違いますよと指摘があったようだ。さすがに、"何度も指摘したがそういう指示だったのでそのとおりに作った。県にも確認を取ったと仰ったので、まずはそちらで話を整理して解決してくれ。"と突っぱねた。そしたら折衷案を示されて仕方無しに書類を小修正し、無事許可がおりた。
 結局のところ、農地転用申請を事実上判断しているのは地元自治体の農業委員会であり、その農業委員会はその地の農家たちで構成されている。そして申請は、県としては書類の体裁が整っていればいいし、地元の農業委員会としては書類の体裁なんて正直知ったこっちゃない。それゆえにこんなことが起きるのだ。なんだかなという気持ちでいっぱいだったが、許可がもらえたのでよしとする。

 許可後はこんな感じの個人情報満載の看板を現場に掲示しなければならない。

河川占有でも似たような看板があるが、事業主体が企業ならともかく、個人だし、このご時世に本当に勘弁してくれという気持ちがいっぱいである。案の定、物好きな田舎のじいさまばあさま方から「おたく家建てられるんかね?」というわかりきった質問が。ほんとうにもう...。

いざ造成工事

 農地転用許可が得られたら、造成工事に着手できる。今回の造成工事はかなり大掛かりなものとなった。当該地はもともと、道路から約2m程度下がった水田だった。

着手時点においては畑に変わっていたが、それでも水路があるため1800mmの擁壁で3面囲むという大掛かりな工事となった。
 造成工事に着手するにあたっては、上下水道と雨水の配管を考えておかねばならない。先の記事に書いたように、無事下水道を使用できることになったので、ハウスメーカーの仕切りで造成工事業者、水道工事業者、下水道を管理する地元自治体とそれぞれ打合せをしてもらい、上水道の取り出し位置・方法、下水道の配管ルート等を決定してもらった。こちらとしては、最終枡と水道メーターの位置を「ここでいいですね」という確認をされた程度で、詳細は報告を受けながらおまかせした。また、造成にあたり土砂の搬入をするにも厳しいルールがある自治体なので、その申請も必要だが、こちらは造成工事業者が行ってくれた。はじめは建設残土で埋め立てる予定だったが、造成工事業者のすすめで山土で埋め立てることとした。
 また、造成レベル(GL)については、住宅の設計GL等も絡むので、ハウスメーカーと造成工事業者で打合せをしてもらった。今回は地盤改良工事としてソイルセメントを打ち込むため、その残土でGLが上がる分を計算して、造成時にその分下げてもらうこととした。

手前のフェンス撤去はたまたま別事業で整備されたもの。

 そして間もなく、配管以外の造成が完了した。家とカーポートの位置のGLはよかったが、その他あまりの部分のGLが高く仕上がりすぎた。といっても、相談されてこちらがGOを出したレベルだったのだが、仕上がってみるとどうも高すぎる...なかなか難しい。既に土砂を搬入してしまっているのでどうしようもないが、造成工事業者のお情けで配管工事後の埋め戻し時に可能な範囲で調整してくれることになった。ありがたや...。さらに必要とならば二次外構で調整することになった。お金をかけて入れた土をお金をかけて搬出することはなんとか避けたいが、果たしてどうなる...。


※当ブログに記載の内容は、当方固有の条件・契約時期等での内容であり、契約ごとに異なる場合があります。当ブログに記載の内容を根拠に商談を行うことはご遠慮ください。

2024.8.20 更新