ついに我が家も上棟を迎えた。
あらかじめ聞いていたスケジュールでは、2階建ての我が家の場合、1日目で1階の建て方、2日目で2階の建て方と屋根仕舞いと聞いていた。しかし、上棟予定の2日間のうち2日目の午後は雨予報となっていた。結果的に、1日目の作業が終わった段階で、2日目は2階部分の建て方まで実施して、雨養生をして屋根仕舞いは後日に延期と決定された。
さて、上棟前日にはすでにラフタークレーンが搬入されており、準備万端といった様子。
そしていよいよ迎えた上棟1日目。せっかくだし、年末を前に有給休暇が余りそうだったので、2日とも休みを取って見物することにした。プレッシャーをかけたいわけではなく、単純に興味がある。
8時の作業開始を前に、ぞくぞくと「壁」を積んだトラックが集結した。グランスマートの家は2x6工法であり、一条工務店の場合、フィリピンの工場で壁が組立てられ運ばれてくる。壁にはすでに断熱材等が組み込まれているほか、タイルも貼られ、窓まではめ込まれている。掃き出し窓はおろかFIX窓まではめ込まれており、トラブルを起こさず輸送する方法まで編み出したのはさすがというほかない。
8時になると、ラフタークレーンのエンジンがかかり、さっそく1枚目の壁が吊られた。
あれ、監督いないけど...。先日設置された工事看板の「木造建築物の組立て等作業主任者」には、一条工務店の建て方の監督の名前があったので、上棟は監督が指揮を取るんだなと思っていたが...。後で確認してみると、名前が変更されていた。この日の作業指揮は、胸に「指導員」の文字があるいかにもベテランの棟梁。ちょっと安心かも。
作業に目を戻すと、クレーンから一番遠い角の壁から組立てていくようだ。しかし、早速トラブルが発生していた。どうやら、先行して組立てられていた足場が邪魔をして、目標位置に壁を吊り込めなかったようだ。大急ぎで2階部分の足場のバラしが始まった。突発的な予定外の作業は事故が起こりやすいので心配だったが、ここで棟梁からは安全帯をちゃんと付けるようにとか、頭上に気をつけろだとか、細やかな安全の声が飛んでいたので、この棟梁と現場はとても安心できると感じた。
外壁はものすごい早さで次々と吊り込まれては固定されていき、1時間でほぼ1階部分の外壁の半分が立ち上がっていた。このころ、担当営業さんと建て方の監督が現れ、監督さんははじめましてのご挨拶。経験10棟目のお若い監督だった。監督とはいえ、ほぼ名前だけで現場をちらっと確認された程度で、少し話をした後に次の仕事へ向かわれた。
10時の休憩の頃には、外壁はすべて立ち上がり、一部の仕切り壁まで据え付けられていた。上棟日はたくさんの職人さんが集まっているので、クーラーボックスとキャンプ用のテーブルを用意して、気持ちばかりの飲み物とお菓子を差し入れた。その後、担当営業さんのはからいで、家の中に入れることになった。
防蟻処理された緑がかった木材、すでに組み込まれている窓、FIX窓にはハニカムシェードまでついていた。一部の電線もすでに配線されていた。ダクトの貫通部分や電線管の位置には、たとえば「2mmの電線を使用します」といったような、各大工さんに向けた細やかな指示まで記載されている。同時に搬入されたあと施工の断熱材や壁下地材は、すでにはめ込む位置の形にカットされており、極限まで現場作業を省力化している。圧巻のシステマティックさ。
仕切り壁や什器が次々建物の中に吊り込まれていく。クローゼットやキッチンも、組み立て済みのものがそのまま吊り込まれていく。内側の作業になると、外からは進捗が見えないので、あまりおもしろくない。仕切り壁や大型什器の吊り込みが終わると、1階部分で使う石膏ボードが吊り込まれ、その後、天井兼2階床の板が次々と組み付けられていった。これで、1階部分は完成である。圧巻の早さ。なんだかコンビニみたいな形になったが、1日目の作業は無事完了した。
2日目。天気はいかにもこの後雨ですというような曇りだが、作業が始まった。次々と組立てられていく壁。この日は、ちょっと冒険したかもと思っていた一条最大のFIX窓「JF5961」がいよいよお目見えする。
いよいよ問題の窓がついた壁が組み付けられる瞬間。やはりめちゃくちゃ大きい。吹き抜けもないのにちょっとやり過ぎ感があるが、階段の踊り場に設置したので1階と2階の廊下を明るくしてくれることでしょう。しかし、この窓がついた状態でよくぞ割らずにここまで運んできたものだと心底感心した。
この日は10時の休憩時には外壁はもちろん、ほとんどの仕切り壁も据えついていた。お昼を目前にしてポツポツと雨が降り始めたため、什器の位置決めを後回しにして急いで天井の据付が始まった。お昼休みを先延ばしにして急いで作業してもらっている様子。屋根の据付が終わり次第ものすごい早さでブルーシートを被せ、なんとか本降りの雨の前に雨養生ができたようだ。感謝しかない。
いよいよ家の実物の形が見えてきた。まだ屋根がないのでパッとしないが、誰もが言うように、立体になるととたんに大きく見えてきた。ひとまず安心。中を見たくてしょうがないが、とても入れる状態ではなく、職人さんも大急ぎで片付けをしているのでこの日は外観から想像を膨らませておいた。
その日の夜から土砂降りの雨だったのでかなり心配したが、次の日、作業はないと聞いていたけれど、雨養生の確認や急いで作業した残作業や現場の整理に来ていただけたようだ。ありがたい。
数日開けて、屋根仕舞いの作業日の連絡が来た。たまたま有給休暇を取っている日だったので、この日も見物することにした。ラフタークレーンは2階の作業後数日開いたので引き上げられていたが、この日は補助ジブ付きの違うクレーンが来ていた。
同じく8時の作業開始と同時に、屋根の勾配にあわせた三角形の壁が飛ぶ。外壁が完成すると、小屋裏の仕切りが作られ、すぐに屋根板が伏せられた。午後には防水シートが張られ、この日の作業が終了した。
我が家の屋根は切妻と片流しを組み合わせた構造になっているのだが、片流し部分の勾配が図面で想像していたよりも大きく見え、ぱっと見3階建てか2階+ロフトのような佇まい。突然に家が大きく見えるようになった。地縄や基礎の段階では心配するほど小さく感じていたのだが、その不安も吹き飛んだ。
この日は現場に穏やかな空気が流れていたので、10時の休憩のときに中を見学させてもらった。残念ながら階段が未完成のため2階にはいかないでとのことだったので、1階のみを見て回ったが、すでに仕切り壁はすべてあるので、実際の間取りが見えた。想像より広いところ、想像より狭いところ、いろいろあったが、"やってしまった"と感じるようなスペースはなく、ひとまず安心。上棟から数日開いた間に少し内装工事が入ったようで、ガス管等も施工され、室内もきれいに整頓されていた。
屋根仕舞いが終わり、週末があけると、ついに一条工務店の社旗や広告が掲示された。片面に社旗、反対面に、ギネス受賞等の宣伝横断幕が掲げられたが、宣伝の横断幕には社名が入っていないので、反対側から見るとどこの会社かわからない。いいのか...? 好きにしてもらったらいいが...。ちなみに、なんでハンガリーの国旗柄なんですかと担当営業さんに聞いたら、「赤は太陽、緑は大地です」とのこと。なるほど!
こうして、無事上棟となった。この後はそれぞれの大工工事に入っていくが、外からは作業状況は見えないので、しばらくおあずけ。引き渡し前までは一条工務店の持ち物なので、施主であっても工事キーの番号は教えてもらえないため好き勝手に建物に入ることはできない。目下は、電気図面が複雑になりすぎたため、電気工事着手時に一度立ち会いを求められているので、そのときに中に入れるのが楽しみだ。
ちなみに監督さんからは、目玉の工事のタイミングで中をご案内できるようにしたいが、気密測定は外部業者の測定に切り替わったので案内できないと思う、と言われた。ちゃんと測定して結果だけ教えてもらえればいいけれど、実はちょっと見たかったので残念だ。
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